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漢字雑談(講談社現代新書)
「漢字雑談」 (高島俊男 講談社現代新書2200 2013/3/15)

漢字について庶民向けに本をお書きになる学者さんは何人かおられるが、高島さんは特に注目している著者のお一人なので書店で見つけてさっそくパラパラと読んでいる。

「山田(孝雄)の言うところはあてずっぽうでありデタラメである」(p.254)と書くが、山田の二人の息子さんについては、「しかしもちろん、山田(俊雄)先生がそんなことをなさるはずがない」(p.102)「山田忠雄さんの親切であろう」(p.29)と山田一家の所為に触れるあたり、業界ネタとして面白い。

目次をざっと見て、定番ネタの「改定常用漢字の愚」を読んでみる。「障がい者」表記について触れている。この件についてはこのブログで以前にも書いたhttp://tomokazu2006.jugem.jp/?eid=222。「戦前の本を見ていると、「礙」が使われている場合もあるし、「碍」が使われている場合もある」(p.111)とある。ここは、もう少し調べてもらって「戦前は「障害」「障礙」「障碍」が混用されており、同じ意味で使われた」と書くべきである。

この問題の勘所は「障害者」という言葉がいつから使われ出したのかということだ。「障害者」は戦前はほとんど使われてなくて(「障害」は使われていた)、戦前は、「不具者」「めくら」「つんぼ」「おし」などが法律用語だった。つまり、「障礙者」「障碍者」もあまり使われていない用語だった。「当用漢字」(漢字制限)のせいで「障碍者」が「障害者」に書き替えられたわけではなく、戦後、「不具者」などの用語を法律名では使わず、新用語である「障害者」を使い始めたというのが実情である。当局の漢字表に古くてあまり使われない字である「碍」を入れて、「害」を「碍」に変えるというのは賢い改善ではない。本筋は、「身体障害者福祉法」などの法律名を変えることだと思う。

このあたりに関しては、

http://blog.motoyuki.net/2008/03/post_0492.html
http://blog.motoyuki.net/2009/03/post_9be8.html

が詳しい。

「「障害」は「障碍」あるは「障礙」と本来表記されていた」あるいは「「障害者」は「障碍者」あるは「障礙者」と本来表記されていた」という言説が嘘だという調査結果である。

「障害者」なる表現が良く使われるようになったのは、1949(昭和24)年に「身体障害者福祉法」が制定され(現在もこの法律名に変更はない)、「障害者手帳」が発行されるようになってからだろう。つまり、「障害者」も「不具者」などの書き換え用語なのである。それを、近年、さらに書き換えようとしているわけだ。「害」が入るのが不快で書き換えたいのなら、被害者や加害者も書き換え対象になるのだろうか。というか、「身体障害者福祉法」という法律名を変えることが本質的な仕事だと思う。そうすれば「障害者手帳」という名称も変わる。「害」「礙」「碍」を使わない用語に書き換えればいいのである。高島が「害」を避けたいなら、「支障者」「有障者」などでも良いと書いている(p.111)のは、このあたりの事情を分かっているからのようにも思う。古い表記に戻したいというのが本筋なら、いっそのこと、「身体障害者福祉法」制定前では一般的表現だった「不具者」に戻したらと思う。今となっては「不具者」という表記に「害」に通じるような、忌避するようなニュアンスは無いと思う。身障者であるわたくしはそう思う。

ところで、「障害者」を「障害物」(障害となっている物)との連想で、(みんなの障害となっている者・人)と解釈(誤解)されるので用語を変えろという主張がある。この主張には一理あるが、この誤解を解決するには「障碍者」なる漢字を使っても解決しない。(障碍となっている者・人)と解釈されるだけである。「障害」「障礙」「障碍」を使わない用語に置き換えるのが妥当だろう。
| tomokazu2006 | 21:45 | - | - |
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